[metaslider id="393"]

本当に体験した怖い話#7-6「山」(完)

これまでの怖い話「山」

スポンサーリンク

21:45 「告白」

・・・・・・しばらくして、落ち着いてきたこうじに私は聞いてみた。

「何を・・・見たの・・・?」

こうじは目を合わさずに、真っ青の顔で言った。

「お前の後ろに・・・なんか・・・変なおっさんがいて・・・お前の首を絞めようとしてた・・・」

目を伏せたままこう言った。私はぞっとしました。そんな恐ろしいものを彼は見ていたのか。

「大丈夫。ほら、もういないでしょ?」


怖かったですが私も振り向いてみました。安心させるために。・・・いや、安心するために。

・・・良かった。誰もいない、暗闇でした。

「な?気のせいかもしんないじゃん。早く帰ろうぜ」

怖がるこうじをなんとかなだめ、再び歩き出しました。

時刻は22時。
ふと、妙な事に気がつきます。

22:00 「現在地」

しばらく歩いていて変な違和感のようなものを感じた。
・・・もう山を降りてもいいくらいの時間は経ってないか?
・・・こんな道あったっけ?

そんなに高い山ではないはずです。
1000メートル程の山ですので、小学生とはいえ、1時間もあればいけるハズ。

けれども、進めど進めど、暗闇の山道が続くだけです。

「あのさ・・・」

私は重い口を開きました。
「こんな道・・・通ったっけ・・・」

こうじは先に気がついていたらしく、
「うん・・・わかんない・・・」

すでに半泣きで、怖さで今にもパニック状態になってもおかしくない状態でした。

ザワ・・・ザワ・・・ザワ・・・

急に風が強くなった気がしました。
葉っぱと葉っぱのざわつく音はまるで人の叫んでいる声に聞こえてきます。

「と・・・とりあえず、もう少し歩いてみようよ」

私は気を取り直し、歌でも歌いながら行こうと、こうじと一緒に歌っていました。

なんだかよくわからない、即興で作ったようなオリジナルソングを歌っていると、

ククク・・・

おーーい・・・

ククク・・・

おーい・・・

と、笑い声と、私たちを呼んでるような声がしてきました。

!!!

私とこうじは立ち止まり、身体を硬直させました。
言葉も出せず、立ちすくむ私たちの回りを、さっきあった何かわからないモヤっとした気配みたいなものが襲ってきました。

ゾクッッと寒気が来て、「また」誰かが後ろにいるような気になりました。


私とこうじは肩を並べ、なるべく離れないよう、横並びに歩いていました。
こうじも気配には気がついているらしく、目は懐中電灯の光を一点に見ています。

時刻は22時15分・・・

22:15分 「黒い気配」


同じ所をグルグルと回っている、無限とも思える恐怖と闘っていました・・・。

ハッ・・・ハッ・・・ハッ・・・

だんだん私たちの息も荒くなってきています。

時刻は22時15分・・・

私の背後にいるであろう、黒い気配は依然ついてきています。

そして突然、私の肩が

ズシッ・・・

と重たくなりました。

掴まれて、グイッ
と、引っ張られるではありませんか。

「・・・・!」

汗が吹き出し、恐怖で振り向くことも、声を出すことも出来ません。

自然と足は早歩きになります。

フゥゥーー

耳元で息を吹きつけられます。

依然として肩はつかまれています。
怖くて怖くて、二人は自然と走り出しました。

暗い夜道、頼りは懐中電灯一つ。

途中、転びそうになりながら、二人は泣きながら転げ落ちるように走りました。

遠くに、なんだかボンヤリと光る物体がありました。

・・・・・・・!

よく分からなかったけれど、なんだか出口のような気がして、嬉しくなりました。

走って 走って 走って

だんだんと光る物体に近づいてきました。
だんだんとハッキリしてきた物体。

それは、忘れもしない姿。今でも覚えています。思い出したくありませんが。

Tシャツに、Gパン、髪はボサボサでメガネをかけた、見ず知らずの男性が立っていました。

こちらを向いて、何か言いたげに立っていました。

私はびっくりして立ち止まりました。
二人は立ち止まり、固まってしまいました。

・・・・・・。

3人の間で走る緊張感。

・・・・・・。


その緊張を破ったのは友人こうじでした。
すでに色々と限界に来ていたんでしょう。
近くに落ちていた棒を拾い、

「うわぁぁぁぁぁ!!」

錯乱状態で振り回しながら、飛び込んで行きました。

ハッとなって私も追いかけました。
その男性と重なったか重なってないかくらいで、まぶしい光が包んできました。

その時、肩を引っ張って
いた強さが弱まった気がします。


・・・・・・次に気がついたのは朝でした。
大人や警察に周りを囲まれていました。

場所は入口近く。自転車を止めたところから5分もない山道の脇道に私たち2人は寝ていたようです。

それから私たちは親と警察にしこたま怒られました。
他の友人に話しても信じてもらえませんでした。

よくわからない不思議な体験をした、小学5年の夏休みでした。

そして・・・私の時計は、遭遇したであろう時間、22時30分から止まって動かなくなっていました・・・。

おわり

お付き合いいただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました