本当に体験した怖い話7-4「山」
これまでの怖い話「山」
19:30~ 「頂上」
息切れを起こしながら頂上まで登ってきた二人。
しばらくすると、
ドドーーン ドンッドンッドドーーン
と花火の音が響いてきました。
こうじ「!急ごうぜ!」
私 「うん!」
二人はさっきまでの恐怖と疲れを忘れ、駈け出しました。
頂上には誰もいません。当然ですがまぁこんな所にこんな時間。いるやつなんていないでしょう。
私たちは頂上から少しはずれた小道にはいり、岩場のような所に腰掛けました。
こうじ「ここ、俺が見つけたんだぜ」
私 「ここめちゃくちゃ花火が見れていい場所だね~」
それから私たちは持っていたジュースとお菓子で乾杯をし、花火を見ながらおしゃべりしてました。
宿題のこと・・・
秘密基地を作ろう・・・
今度は○○も誘ってこよう・・・
色んな事を話しました。
しばらく話に夢中になっていると、周りが静かになっていたのに気がつきます。
時刻は21時・・・
21:00~ 「花火大会の終わり」
こうじ「花火・・・終わったね・・・」
私 「うん・・・」
こうじ「・・・・・・帰ろうか・・・」
なんとなく帰るのは寂しいもので、動けません。
私 「いこうぜ・・・こうじ。」
2~3度話しかけた時、返事はなく、こうじの様子がおかしい事に気がつきます。
私 「・・・・なに?どうしたん?」
こうじはこちらを見ずに、指をさして、
こうじ「あ・・・あれってさ・・・なんだろ?」
無理に明るくふるまってるようにも、キョトンとしているようにも、少し震えているようにも見えました。
さしている方向をみてみると、
暗い森の中、木の向こう側、私達から30~40メートルくらい離れた所でしょうか・・・。
フワフワと・・・光が浮いていました。
不規則で、突然消えたり、ゆっくり動いてるようにもみえました。
こうじ「誰か来たのかな?」
私 「まさか。ここ・・・登山道じゃないよ」
・・・なんとなく二人とも分かっていたような気がします。
あれが俗にいう、「人魂」というやつだってことに。もちろん当時はそんな言葉も何も知らなかったのでただただ不気味な光るものだったのですが。
こうじ「ま・・いいか。なんか気味悪いし、帰ろうぜ」
こういう時気にしたらいけない。本能がそうさせたのでしょうか。なるべく気にしない、見ないようにフワフワした物体は無視して、山を下って行きました。
気分を切り替えてペチャクチャと話しながら山を下っていると、
こうじの懐中電灯の調子がおかしくなりました。
点いたり・・・消えたり・・・
チカチカと点滅しだしました。
こうじ「あれ~?変だな・・・」
懐中電灯をふったり叩いたりします が、調子は戻りません。
とうとう
フ・・・ッ・・・
光は消えてしまいました。
残された懐中電灯は私のだけ。
時刻は21時30分
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