皆様こんにちは。演劇レビューにようこそ。
今回は
パルコプレゼンツ「ダブリンの鐘つきカビ人間」
こちらの紹介をしていきます。
初演が1996年、再演も何度もしているこの作品、今回は2005年度版をメインにお届けします。
あらすじ
とある山中。真奈美と聡は旅行中、森の中で道に迷ってしまい、山小屋に一夜の宿を求める。そこで山小屋の主である老人は、かつてこの土地を不思議な病が襲ったときのことを二人に話し出す。真奈美と聡は老人の話に引き込まれ、その物語の中に入っていく。
<キャスト>
片桐仁(ラーメンズ)・ 中越典子・ 橋本さとし・ 山内圭哉・ 中山祐一朗・ 及川健・ 八十田勇一・ 田尻茂一・ トロイ・ 山中崇
平田敦子・ 土屋アンナ・ 姜暢雄・ 後藤ひろひと・ 池田成志・ 若松武史
ちなみに2002年度版の主演は大倉孝二さん・水野美紀さん。
2015年度版は佐藤隆太さんと上西星来さん。
役者好きなら分かると思いますがかなりの曲者が揃ってます。
感想・見所
物凄い感動エンターテイメントでした。
「醜い外見と優しい心を持つカビ人間」「思ったことが全部反対の言葉で言ってしまう」などという奇妙なノロイにかかった人々。
やはりカビ人間は片桐さんがダントツで好みでしたが、他の方々も素敵な演技を魅せてくれます。
ラスト付近の主演・おさえちゃんのセリフ
「お願い!殺して!」
というセリフ。反対の言葉なのだがわからない村人は・・・というシーン。
「貴方なんて大嫌い」
というシーン。
言葉は反対でも、感情は逆をもって言わなければならないこの芝居はかなり難しい。
なんでも反対に言ってしまうので感情が訳がわからなくなりそうだけれど、見事に演じているなぁ・・・と感動を覚えました。
笑いどころ・泣き所を随所に魅せるこのお芝居、笑わせるようなセルフなんだけれど絶妙に鳥肌が立つような場面も多々あって、
頭に植木鉢を落とされてちょっとおかしくなった兵隊さんが
「だーーれですかーー?わたしのあたまにーーー」
と言う場面。一見コメディのような動きでもあるのだが、その実ここから物語はうねりをあげる。
ゾッとした場面でもあります。
そしてカビ人間。心から難しい役どころ。おそらく笑わせに行くとダメ。でも「笑われないといけない」と思います。笑わせるのでなく。
そのくらい純粋にまっすぐな人を演じないといけない。
カビ人間とおさえちゃんの関係はどうなるのか?
物語の冒頭にある歌はどう関係してくるのか?
ぜひ確かめてみてほしいです。
気に入りましたら2002年、2015年度版もどうぞ。
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